介護情報ネットワーク協会 「介護する人」「される人」をつなぎたい
Care infomation network association
Care infomation network association お問合せ 協会概要 サイトマップ
ホーム
利用会員チャンネル
一般会員チャンネル
勉強会のご案内
評判施設ご紹介
連載コラム
ちょっとひといき
福祉チャンネル
リアルプレイヤーのダウンロード
動画をご覧頂くにはリアル
プレイヤー(無料)が
必要です。

勉強会のご案内

 第1回感染症対策勉強会 [2004/05/28]

 介護保険の施行され、従来までの訪問看護・介護に加えて在宅医療を巡るさまざまな介護・福祉の業種が活発に動き出しています。

 在宅福祉を受ける人のQOL(quality of life)が謳われ、利用者が望む看護・介護を選択できるようになり、介護事業者には質のよいサービスが求められる。そこには感染管理の理論と実践の知識が必要となっています。

   

在宅医療における感染症

・MRSA

・疥癬

・結核

・インフルエンザ

・食中毒

・ウィルス性感染症

・その他、内因性感染症

MRSAなどの多剤耐性細菌による感染症

病院で問題になっている耐性菌

・MRSA

・PRSP(ペニシリン耐性肺炎球菌)

・メタロβラクタマーゼ産生菌

・MDRP(多剤耐性緑膿菌)

・ESBL(器質拡張型βラクタマーゼ産生菌)

・多剤耐性抗酸菌など

MRSAとは

・メシチリン耐性黄色ブドウ球菌の略称

・殆どの抗生物質に耐性を獲得した耐性菌

・コンプロマイズドホスト(易感染患者)に発症した場合

 難治感染症に発展しやすい。

・伝播形態が、接触感染によるものが多い。

・発症患者か保菌者かの判断が大切。

・基本的には常在菌として、人の様々な部位に存在している。

*MRSA感染症

 定着者(保菌者)あるいは感染者によって院内に持ち込まれたMRSAや抗生剤投与によって院内でMSSA(メチシリン感受性黄色ブドウ球菌)からMRSAへと変異した株が、患者から直接あるいは医療従事者や使用物品を含む環境を介して、患者・医療従事者に接触感染を生じる。

 院内感染の場合は、これらの感染経路の中で特に医療従事者の手指を介しての伝播が多いとされている。

MRSA深部感染が発症しやすい宿主の状態

1)高齢者、特に寝たきりの状態である高齢者

2)免疫不全状態にある患者

  (悪性腫瘍、糖尿病、ステロイド投与中の患者など)

3)広範囲の熱傷患者、外傷患者

4)心臓外科手術患者

5)腹部大手術患者

6)IVH施行患者

7)気管内挿管による呼吸管理患者

8)広域ペニシリン、セフエム系抗生剤使用患者  

(特に長期投与が問題と なる)

9)未熟児、新生児、幼少児

MRSA感染により発症する主な病態

1)敗血症

2)感染性心内膜炎

3)膿胸、肺膿瘍

4)白色便下痢症

5)ショック

6)褥創への感染

感染源になる可能性のある定着者(保菌者)への対応

ア)病室は個室または集団管理とし必要時ドアを開ける

イ)患者と蜜に接するときは手袋・ガウンを使用する。

ウ)飛沫の危険性があるときはマスクを着用する。

行動制限の必要のない定着者(保菌者)への対応

居室は大部屋で行動はフリーでよい。

○手洗い・うがいの励行。

○易感染性患者との同室は避ける。

○易感染性患者を訪問しないように指導する。

○必要時マスクの着用を指導する。

保菌と感染の鑑別

・発熱などの症状を伴い、血液・髄液・胸水・関節液など本来無菌であるはず の液体から検出された場合。

・喀痰・尿・便・皮膚・創部等から検出された場合は感染症マーカー

 (CRP WBCなど)を参考に、これらが変動せず、臨床症状も変化が見られな い場合は保菌と考える。

・保菌と感染が鑑別困難な場合は、主治医と相談し専門医療機関に移すことも 考える。

肺炎球菌とは

・地球上には、細菌やウィルスなど、目に見えない微生物が数多くいますが、 肺炎球菌は細菌のひとつである。

・この肺炎球菌は、体力が落ちている時やお年寄りになって免疫力が弱くなっ    てくると病気を引き起こします。

・肺炎球菌が引き起こす主な病気としては、肺炎・気管支炎などの呼吸器感染 症や副鼻腔炎・中耳炎・髄膜炎などがある。

肺炎球菌によるニュース

<施設内感染>介護老人保健施設で肺炎球菌 4人死亡 〔2004年5月27日〕

広島市西区の介護老人保健施設「西広島幸楽苑」(小熊信夫施設長)で入所者約130人中22人に高熱などの症状が出て、79〜93歳の男女4人が肺炎にかかり死亡していたことが、27日分かった。死亡者の一人から肺炎球菌が検出され、同保健所は施設内感染の可能性があるとみて調べている。

肺炎球菌ワクチンとは

・肺炎球菌ワクチンとは、肺炎球菌によって起こされるいろいろな病気(感染 症)を予防するためのワクチンである。

・従って、肺炎球菌ワクチンは肺炎球菌以外の原因による病気には予防効果  は期待できない。肺炎を例にとると、肺炎の原因になる微生物には各種細菌 やウィルスなどたくさんの種類がある。

  しかし、肺炎球菌はその中でも最も重要な位置を占めている細菌です。

  インフルエンザウィルスに多くの種類があるように、肺炎球菌にも多くの種    類があり、このワクチンは1回の接種で複数の型に効くように作られている

ワクチンによる副作用

・肺炎球菌ワクチン接種後の副反応(副作用)として、注射部位の腫れや、痛 み、まれに軽い発熱が見られることがあるが、日常生活に差し支えるほどの    ものではなく1〜2日で消失する。

・多くのデータにより、安全に接種できることが確認されているが、過去に、 このワクチンを受けたことのある人は、再接種することはできない。

疥癬

.疥癬はダニの一種である疥癬虫(ヒゼンダニ)が皮膚の角質層内に寄生する 事によって発症するそう痒の激しい皮膚疾患である。

・大きさは成虫で0.4mm大で卵は3〜5日で孵化して幼虫となり、10〜14 日間の生存が可能。

・50℃以上の条件下では湿度に関係なく10分程度で死滅する。

・本症は約30年の周期をもって流行を繰り返す。

・臨床的には

 1.通常疥癬

   @腹・側胸・大腿・上腕等やわらかい部分に散発する紅色小丘疹

   A腋下・外陰部等に好発する紅褐色調の小関節

   B手指の疥癬トンネルの皮疹

 2.ノルウェー疥癬

   ・体幹・四肢の関節背部や骨の突出した部分等を中心として、ほぼ全身    きわめて厚い灰白色から黄白色の汚い蛎殻状の角質増殖を認める。

  

感染経路

・人の肌から肌への直接接触ないし長時間同室で寝起きをともにした場合。

・布団・ベッドなどの寝具を介しての感染で仮眠室・当直室などで前の寝た人 をそのままにして次の人が、その寝具で休んだ場合。

・病院内やホーム内で感染力の高いノルウェー疥癬が生じた場合。

ノルウェー疥癬の場合

・個室隔離が不可欠

・入り口は足拭きマットを使用し、サンダルを交換

・患者の寝具や下着などは毎日交換し50℃以上の熱湯で処理する。

・入室には帽子・マスク・手袋・ガウンを着用

・患者のいた部屋およびベッドは2週間以上閉鎖し使用する。

・落ち屑の除去を目的とした室内清掃を徹底

・食器などもディスポーサブル製品を使用

  ※家族の方にも熱湯消毒などの必要性を必ず伝える。

感染症すべてにおける感染予防

・手洗い…日常の手洗いでMRSAの分離率は5分の1の減少する。

     可能な限りペーパータオルを使用し、身近に洗面所のない場合には

     アルコール綿や刷り込み式の消毒薬を用いる。

・手袋 …濃厚な接触をするような処置をする場合には必ず必要。

     素手の介助を好まれるからという考えは感染を拡大する可能性が

     高い

・洗濯物…洗剤と洗濯機を使い、天日干しがよい。汚染のひどい物は塩素系

     消毒薬に浸ける。


→ 勉強会トップに戻る


介護情報ネットワーク協会
神戸市中央区伊藤町119 三井生命神戸三ノ宮ビル7階
Copyright (C) 2002 Care Information Network Association. All Rights Reserved.